モロッコの旅

9日間ほどモロッコに行ってきました。マラケシュとフェズだけではなく青の街で有名なシャウエンと白い街のテトゥアン、更に海辺の世界遺産の街エッサウィラを周るコースとしました。サハラ砂漠などの南部地方は時期的に暑いのと路線バスで回るには日程的に無理があり一人で車をチャーターするには経費的に無理があるので今回は断念しました。またカサブランカは大都市で観光的にはあまり魅力を感じないため宿泊せず経由としました。

航空会社はカタール航空をにしました。ドーハ乗換で所要22時間半ちょっとキツイのですが、一度中東系の航空会社を利用してみたかったのと乗り継ぎが2時間半と良いので利用することにしました。パッケージツアーを調べた所、往復航空券とカサブランカの4つ星ホテル2泊込で113、020円という大阪の会社(㈱クルーズ・ワールド)がありました。カサブランカ2泊をラバト1泊+テトゥアン1泊に変更可能とのことなのでこの会社を利用することにしました。

モロッコ内の移動はカサブランカ〜ラバト〜タンジールは鉄道、タンジール〜テトーアンはタクシー、テトーアン〜シャウエン〜フェズはバス、フェズ〜マラケシュは航空機、マラケシュ〜エッサウィラ往復はタクシー、マラケシュ〜カサブランカは鉄道としました。鉄道以外はネット予約できましたが、鉄道(ONCF)は海外のクレジットカードが使用できないため予約できず現地で予約となりました。

ホテルはラバトとテトゥアン以外はブッキングドットコムで予約しました。観光に便利なように旧市街の中心のリアド(モロッコ式邸宅改造ホテル)にしました。

エアー

出発の10日ほど前にEチケットが届きました。モロッコ航空のHPでEチケット記載の予約番号を使用して予約確認をしたところ座席の指定ができました。長時間フライトなのでトイレに近い通路側の席を確保でき助かりました。

フェズからマラケシュのフライトです。LCCのエアーアラビアという航空会社です。毎日運行ではなくたまたま運行していので利用しました。列車だとカサブランカ経由で6時間以上かかるところを1時間で行けるのと料金が53ユーロ(約6000円)と割安なので利用しました。

鉄道

モロッコ鉄道(ONCF)の予約システム(https://www.oncf.ma/en/)でスケジュールをチェックすることはできましたが予約はできませんでした。予約操作はできるのですが最後のクレジットカードによる支払いの段階でエラーが出てしまうのです。調べてみるとモロッコの銀行発行のクレジットカードでないと決済できないことが分かりました。モロッコ鉄道に問い合わせたところ「現在改修を検討中」との回答でした。仕方がないのでカサブランカ空港の駅で購入しましたが、やはりクレジットカードは使用できず現金決済でした。

モロッコ鉄道(ONCF)の予約システムの操作で注意しなければいけないのは駅名を正確に入れないと検索できないということです。Casabulancaではだめでカサブランカ空港ならAeroport Med VI、ラバトならRatat City なのかRabat Agdalなのかを入力しないと該当なしの結果となります。

カサブランカ〜ラバト〜タンジール間に高速鉄道(フランスのTGV方式)が2018年11月に開通したので利用しました。他の区間の鉄道はかなり旧式で1等車でも設備はあまり良くないのですが、高速鉄道は最新鋭で設備も良く快適でした。車両だけではなく駅舎も超近代的なものに建て直されびっくりしました。料金は驚くほど安く1等車でもカサブランカ空港〜ラバト14ユーロ(1750円)、ラバト〜タンジール28ユーロ(3500円)、マラケシュ〜カサブランカ空港22ユーロ(2750円)でした。

バス

国営のバス会社(CTM)のシステム(http://www.ctm.ma/)ですべて予約ができました。モロッコ国鉄(ONCF)と異なりクレジットカードでの決済ができ座席の指定ができます。区間や時間にもよりますが間際では満席となるケースもあり前広の予約が必要だと感じました。今回はタンジールからテトゥアン間の便が満席でタクシーを利用せざるを得なくなりました。

バス代も、テトゥアン〜シャウエン2.5ユーロ(313円)、シャウエン〜フェズ7.5ユーロ(938円)と大変安いです。かえってホテルからバスターミナルまでのタクシー代の方が高いくらいです。なお、荷物を預けると一つ0.5ユーロ(63円)かかります。

タクシー

タンジールからテトゥアンまでのタクシーは、ネット上の予約サイトの料金が少し高いので宿泊ホテルにメールで問い合わせたところ40ユーロ(5000円)と割安なので依頼しました。タクシー代はタクシー会社の所在地によりかなり違います。大都会のタンジールより中都市のテトゥアンの方が安いのと、ネット上の予約サイトは必ずしもその都市のタクシー会社の直営ではなくトランスファー専門のオンライン旅行会社であることが多いためです。

マラケシュ空港〜エッサウィラ〜マラケシュ市内のタクシーをエッサウィラのタクシー会社に依頼しました。片道190km所要2時間半の移動ですが片道50ユーロ(6250円)と格安でした。

 

ホテル

パッケージに含まれたホテル。駅から歩いて10分ほど、地図を見ながら、途中何人かに道をたずねながら歩いたが、分かりにくかった。四つ星といっても設備は古く朝食もあまり美味しくなかった。

パッケージに含まれたリアド。タクシーで降りた所から路地を100mほど歩く。ドライバーの案内があったから良かったが、案内がなかったら苦労したと思う。設備も良く朝食を美味しく、なにより王宮と旧市街に隣接したロケーションが素晴らしかった。

ネットでおすすめのシャウエンらしいカラフルで可愛らしいリアド。設備も朝食も良かった。タクシーを降りたところから旧市街を10分ほど歩いた。ドライバーの案内がなく地図と道をたづねながら少し苦労しました。青い街歩きには便利なロケーションです。

タクシーを降りた所から5分ほど歩いた路地の中のリアド。ホテルのスタッフがタクシーを降りた所まで出迎えてくれた。設備、朝食、サービス共に良く、ロケーションも良かった。料金も2泊で13207円と格安でした。

タクシーを降りた所からは街のリアカーによるポーターが案内してくれた。チップとして2ユーロ(250円)が必要だった。設備も良く、朝食は海を見渡せる屋上のオープンエアーで最高でした。旧市街や港にも近くロケーションも良かった。

タクシーがリアドの前まで来れるので便利、設備も朝食も良く、フナ広場までも歩いて10分とロケーションも良い。価格も1泊6604円の安かった。

旅行記

カサブランカ空港に着き(2階)エスカレーターで1階に降りると鉄道の駅があります。ここでチケットを購入しました。

カサブランカ空港からカサブランカL’Oasis乗換で1時間半、まだ明るい首都ラバトに到着しました。

翌日、朝から市内を歩いて観光しました。ラバトは新市街と旧市街が融合した落ち着いた街で世界遺産に認定されています。あいにくムハンマド5世廟とハサン塔はクローズで中に入れませんでしたが騎乗の衛兵は見ることができました。

小舟が浮かぶ長閑なブーレグレグ川に沿って大西洋に面したカスバ(城塞)に向かいました。

ウダイヤのカスバの城門をくぐり、白と青に塗られた家が並ぶ迷路を通り展望台に立ちました。

メディナ(旧市街)に入りました。色々な商品が並ぶ通りを歩きました。迷路で有名なフェズやマラケシュほどの人混みもなく安心して歩けました。

2018年11月に開業した高速鉄道(フランスのTGVタイプ)で地中海の玄関タンジールに向かいました。駅も車両も最新鋭で大変快適でした。

お時間があれば動画もご覧ください(3分51秒)

ラバトから250kmを1時間20分、超モダンなタンジール駅に到着しました

乗継のバスの時間が悪いので、依頼しておいたタクシーでテトゥアンのホテルまで移動しました(約1時間、料金40ユーロ)。テトゥアンはスペインの影響が強い白い街として有名で世界遺産に認定されています。

王宮の横の門から旧市街に入ると迷路のように道が入り組み、業種別のスーク(市場)がありました。フェズやマラケシュと違い観光客はほとんど見かけず地元の人が行き交う生活感に溢れた街でした。

迷子になって歩いていると偶然タンネリ(革なめし染色場)に突き当たりました。フェズのタンネリが有名ですがどの街にもあるのでしょうか。なぜか猫が沢山いました。

お時間があれば動画もご覧ください(3分11秒)

翌日、国営バスで1時間、青い街シャウエンに向かいました。山の斜面に階段状に広がる旧市街は白壁の家が連なり、白壁の下半分を青く塗った家が美しく写真映えすると人気が高まり、大勢の観光客が押し寄せています。特に人気のスポットは撮影待ちする人で一杯でした。

旧市街の中心にはカスバ(城塞)とモスクがあります。広場の南西地区には地元の人が買い物をするスーク(市場)がありました。

北東地区の土産店の並ぶ通りを抜けラスエルマの泉に出ました。清流に沿って洗濯場や休憩所があり、水を大切に楽しむ地元の人々の生活がありました。

翌日、街外れのバスターミナルから国営バスでフェズに向かいました。途中30分ほどのトイレ休憩をはさむ4時間のドライブです。

お時間があれば動画もご覧ください(3分41秒)

フェズはモロッコ最初のイスラム王朝の都です。城壁で取り囲まれた旧市街は世界一複雑な迷路の街として有名です。

間違いなく迷子になると思いガイドを雇い案内してもらいました。午前中は、青いタイルで装飾されたブージュルード門から旧市街に入り、迷路のような通りをめぐりながら、ブーイナニアマドラサ(神学校)、手芸地区、皮革製品地区、金属細工地区などを周りました。

手芸地区では織物工房、フェズ刺繍工房、絨毯店を訪問し伝統の手芸商品を見学しました。

皮革製品地区では革製品店の屋上からタンネリ(革なめし染色場)を見学しました。テレビでは見たことがありましたが実際に見ると壮観です。世界3大苦役と言われるそうですが、匂いと暑さの中、染料のは行ったプールのようなツボに全身を入れての作業は想像を絶します。

午後は、郊外の陶器工房でタジンやモザイクの制作工程を見学し、その後王宮とユダヤ人街を周りました。

夜はブージュルード門の近くのレストランでモロッコ料理(チキンと野菜のタジン)を食べました。

お時間があれば動画もご覧ください(5分23秒)

フェズからマラケシュへは550km鉄道だと6時間半かかり一日移動になってしまいますので空路で行くことにしました。マラケシュまで1時間のフライトでした。

マラケシュ空港は超モダンできれいな空港でした。

マラケシュから大西洋岸の街エッサウィラに向かいました。事前手配のタクシーで一路エッサウィラまで3時間(190km)

エッサウィラはビーチリゾートと旧市街が融合したおしゃれな街でした。城門をくぐりホテルにチェックインすると屋上で大西洋、港、城壁を見ながらウエルカムミントティーがサーブされました。

旧市街はフェズやマラケシュと異なり道幅の広い大通りを中心に広がり歩きやすく迷子にならずに済みました。

スカラ(城塞)に登り大西洋を眼下にみました。風が強くカモメが乱舞していました。砲台には日没を待つ人々が待機していました。

港には自分で選んだ魚を焼いて食べさせてくれる魚屋台街があります。夕日を見ながら美味しい焼き魚を頂きました。しかし残念なことにお酒が飲めずミネラルウォーターでした。

翌朝、港に行きました。カモメが飛び交う空港には小型の漁船がたくさ集まっていました。

お時間があれば動画もご覧ください(4分50秒)

昼からタクシーでマラケシュに移動しました。途中、郊外でアルガンオイルの生産共同組合により製造工程を見学しました。

その後しばらく走ると道路沿いのアルガンの木にヤギが登っている所があり立ち寄りました。

マラケシュに到着しまた。大都市です。新市街には近代的な建物が並び、旧市街は巨大な城壁で囲まれていました。旧市街の中は迷路のように路地でつながっておりバイク、ロバ、リヤカーが走り回る活気のある街です。

まず旧市街の中心になっているジャマ・エル・フナ広場に行きました。まだ明るいので人出はそれほどでもありません。ジュースのスタンドが沢山あり1杯50円で搾りたてのオレンジジュースが楽しめました。

クトゥビア、アグノウ門、サアード朝の墳墓群、バヒア宮殿と歴史地区をめぐりました。

マラケシュの旧市街もフェズなどと同様に地区毎に業種の異なるスーク(市場)がありました。表通りにはきれいな店舗があり脇道に入るとその業種の工房が並んでいました。

夕方になると、レストラン屋台、野外芸人、楽団、猿や蛇のレンタル撮影屋など、ジャマ・エル・フナ広場が賑わってきました。

日が落ち、広場に面したレストランの屋上に登ると絶景です。

翌日、新市街の鉄道駅からフェズ行きの特急に乗りカサブランカに向かいました。ラバト〜タンジール間の高速鉄道に比べるとかなり古びた列車です。カサブランカ・ロアジス駅まで2時間半、乗り換えて25分で空港駅に着きました。

カサブランカ空港の搭乗ゲートに行くと、なんと日本食レストランがありびっくり!!

カサブランカからドーハ乗換で羽田まで19時間、行きに比べると飛行時間も短く、ドーハの乗り継ぎも2時間と適当で、夜行ということもあり良く眠れ快適でした。しかし羽田着が22時40分、川口の自宅に帰るには遅すぎるので空港から京急で1駅の天空橋で降り徒歩3分京急EXイン羽田に後泊、すぐお風呂にも入れ快適でした。

お時間があれば動画もご覧ください(4分52秒)

終わりに

フェズやマラケシュに代表されるメディナ(旧市街)を巡る日程でモロッコらしさを堪能できました。気候もフェズやマラケシュの日中こそ30度を超えて暑かったものの湿度が低いため日陰やスーク(市場)内はそれほど暑くなく、夕方は24度ぐらいで爽やかでした。また海岸沿いのラバトやエッサウィラは日中でも30度にならず夕方は涼しくてジャケットが必要でした。

モロッコ料理といえばタジンとクスクスですが、色々調べ評判のところ行きましたがあまり美味しいとは思えませんでした。魚は大西洋や地中海に面していることから新鮮で種類も多く(鯛、鱸、鰯、イカ、エビなど)料理方法も炭火焼きなことからシンプルで大変美味しいと思いました。しかしローカルレストランではアルコールの提供がなく(ホテルやグループが入るようなレストランならOKなのですが)残念でした。

今回は、一人旅で公共交通機関のみを利用するためアトラス山脈の彼方のカスバ街道やサハラ砂漠方面へ行けませんでした。次回は専用車をチャーターしてマラケシュからフェズまで3泊4日程度の旅行をしたいと思いました。

このブログは撮影した写真の一部と動画を元に作成しました。すべての写真を掲載したフォトアルバムも作成しましたのでご興味のある方はご覧ください。

フォトアルバム(モロッコ)